活性酸素と抗酸化剤

抗酸化剤には、本当に老化を抑える効果があるのだろうかという課題について東海物産は天然エキスに含まれる抗酸化剤に焦点をあてて研究を続けてきました。
それが細胞死を抑えて『健やかな長寿』を実現するための調味料の研究です。

私たちの体を作る1個1個の細胞は電子で動くエンジン(ミトコンドリア)を持っています。エンジンには酸素が必要ですからここに酸素ガスが入っていきますが、この時、電子とぶつかってしまう酸素ガスが出ます。電子を貰った酸素ガスをO2-と書きますが、これがスーパーオキサイドアニオンと呼ばれる活性酸素です。スーパーオキサイドアニオンは、極めて有害な作用を起こします。

細胞の中にはスーパーオキサイド無力化酵素(SOD)と呼ばれる酵素があり、これはスーパーオキサイドアニオンをすぐに過酸化水素(H2O2)に変えます。しかしこの過酸化水素は消毒薬のオキシドールと同じ物質で、殺菌作用のある活性酸素の一種です。
細胞内にはカタラーゼと呼ぶ酵素が存在して、過酸化水素を元の水と酸素ガスに分解します。酸素ガスは無害です。傷口にオキシドールをたらすと白い泡が出ますね。それは無害に戻った酸素ガスなのです。

過酸化水素は殺菌作用があるので、細胞のDNAを傷つけて細胞死を起こしてしまいます。しかし動物はこの過酸化水素を重要なことに利用しています。それは侵入してきた細菌や異常な細胞を殺菌、殺傷するということです。白血球はこの過酸化水素を利用して細菌や癌細胞を殺傷する次亜塩素酸や過酸化亜硝酸を作っています。

次亜塩素酸は漂白剤や殺菌剤として、過酸化亜硝酸は窒素酸化物としておなじみのものです。これらも活性酸素の仲間です。この活性酸素がないと、私達は細菌の侵入(感染症)や異常細胞の発生(ガン)で死んでしまうことになります。他にも不安定な過酸化水素が分解してできる水酸化ラジカルと呼ぶ活性酸素があります。これらが私達の細胞の細胞死を起こす主要な活性酸素なのです。

細胞内での活性酸素の生産

活性酸素には主要な4種類のものが存在しますが、活性酸素の有害作用を抑えると期待される抗酸化剤は、野菜、穀物、果物といった植物性食品に含まれるものと、チキンエキス、ポークエキス、マグロエキスといった動物性食品に含まれるものがあります。

抗酸化剤の効果

一つの抗酸化剤で、すべての活性酸素の有害な作用を抑えることができるのでしょうか?

活性酸素は蛋白質や遺伝子DNAを分解します。その分解を食品に含まれる天然の抗酸化剤が防止できるかどうかを実験して調べました。
それが次に示す写真です。

抗酸化剤の効果

活性酸素の作用で蛋白質は分解されます。そうすると写真にあるように蛋白質の黒いバンドが消失してしまいます。もしここに抗酸化剤を加えて、活性酸素による分解を防止すると、蛋白質のバンドは守られてはっきりと残ります。

写真でもわかるように、異なる活性酸素をすべて抑える抗酸化剤は試験した中には存在しませんでした。チキンエキスやマグロエキスに含まれる動物性の抗酸化剤イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)は次亜塩素酸系の活性酸素に対して、穀物や野菜に含まれるフェルラ酸やカロチン類は水酸化ラジカルに対して、そして過酸化亜硝酸系の活性酸素に対しては果物に含まれるビタミンCが最も強い抗酸化剤であることが分かりました。

DNA分解を抑える実験では、過酸化水素を抑える抗酸化剤は次亜塩素酸と同様に、イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)であり、この場合はビタミンCはむしろ分解を促進する作用を持っていることが分かっています。

このことから、活性酸素による細胞死を防止して老化をコントロールする目的に抗酸化剤を摂取する場合には、1種類とか、同系統の作用を持つ抗酸化剤を摂ることでは不十分であり、栄養素の摂取と同様に抗酸化剤もバランスよく摂取することが大事であることがわかりました。

活性酸素によるDNA分解の防止

チキンエキス由来イミダゾールジペプチドは、活性酸素によるDNA分解を抑制する実験結果が出ています。

・日食科工誌58:208-25(2011)

酸化ストレスの改善

老化の原因となる活性酸素による細胞死は、私達の血液中に存在するリンパ球DNAを調べることで測定できます。それは体内の細胞が活性酸素により傷害を受けると遺伝子DNAが傷つけられるからです。DNAの傷が多いほど、体内での酸化ストレスが大きい、すなわち老化が促進されている状態であることを示します。

平均年齢50歳の中高年の男性を対象に、イミダゾールペプチドであるアンセリン・カルノシン400mg、ビタミンC300mg、フェルラ酸20mgを含有する清涼飲料を8週間飲用して貰い、各ボランティアの血液のリンパ球DNAの酸化傷害程度を測定しました(コメットアッセイ)。

その結果が下の図に示すものです。3種の抗酸化剤を含有する清涼飲料を8週間飲用しますと、飲用8週間目に明らかなDNA酸化傷害の防止作用が現れ、飲用を中止したその4週間には、DNA酸化傷害スコアは半減する結果でした。これは老化を促進する活性酸素による細胞死を抑えていることを示しますから、老化予防にとって大変重要な効果であると言えます。

健常人の白血球DNA酸化傷害(老化の指標)を有意に減少させました。

リンパ球DNAの酸化傷害スコア(コメットスコア)

リンパ球DNAの酸化傷害は飲用8週で半減します。
休止後4週目でそれが確認されますが、
その理由はリンパ球の寿命が2〜4週間あるからです。

リンパ球DNAの酸化傷害スコア表

酸化傷害を受けていないリンパ球DNAは最上段のスコア0のものです。